フランツ・ペーター・シューベルトは31年という短い生涯で1,000曲もの曲を書きました。
次からつぎへと湧き出るようなアイディアで曲を書きあげていったのです。
なかでも「歌曲王」ともいわれるシューベルトには600曲以上の歌曲があります。
モーツアルトのような天才として、最近評価が一段と高くなってきた作曲家です。
そんなシューベルトの名曲を20曲厳選しました。
曲名と内容をざっくり書いてみましたので、気になるところから読んでくださいね。
そして、最後に初めてでも楽しめる6曲を紹介します。
ぜひ最後まで読んで、参考にして聴いてみて下さい。
シューベルトの世界に浸ると、見えてくるものが変わるかもしれませんよ。
シューベルトの名曲20選
シューベルトの初めて聴く人にも楽しめる、代表的な曲をジャンル別に書いています。
興味のあるところから読んでみて下さい。
シューベルトのピアノ曲
即興曲第3番 作品90-3
流れるような美しい旋律が印象的です。シューベルトの代表的なピアノ曲。
やさしく歌うようなメロディは、クラシック初心者でも聴きやすく、リラックスしたいときにぴったりの一曲です。
ピアノを習うと中級ぐらいでレッスンに取り上げられることが多い曲でもあります。
即興曲 第2番 作品142-2
穏やかな主題と軽やかなリズムが心地よく、シンプルで洗練された構成が魅力的な作品です。
シューベルトらしい“歌心”を聴くことができますよ。
楽興の時 第3番
数あるピアノ小品の中でも特に有名な一曲。優雅で親しみやすい旋律は、歌いたくなる気分を誘います。
短いながらも温かみを感じることのできる音楽です。
ピアノソナタ第21番 D960
晩年に作曲された大作で、深い静けさと内面的な美しさが特徴です。
ゆったりとした時間の流れの中で、シューベルトの精神世界に浸ることができます。じっくり音楽を味わいたい時におすすめです。
時々手塚治虫の「アトム」のアニメに出てくるメローディーが聴こえるかもしれませんよ。
さすらい人幻想曲
4楽章からなる、ドラマティックで技巧的なピアノ作品です。
出だしから劇的な展開で驚かされますが、美しいメローディと激しさがめまぐるしく交錯して、まるで目の離せないドラマを観ているようです。
ピアノの名曲として、とても人気があります。
シューベルトの室内楽
ピアノ五重奏曲「ます」
ピアノのキラキラしたアルペジオから始まる、明るく親しみやすい旋律で人気の室内楽作品です。澄んだ水の中で鱒がぴちぴちはねているような軽やかさをピアノが表現し、それを弦楽器が温かい音で引き立てています。
クラシック初心者にもおすすめの曲です。
弦楽四重奏曲「死と乙女」
シューベルト晩年の作品。
死神と対話する乙女の恐怖と、死神の甘くささやく声が交互に聞こえ、ちょっと怖い音楽です。
深いテーマを持つ作品で、強い緊張感とドラマ性に引きつけられます。
弦楽四重奏曲「ロザムンデ」
美しく穏やかな旋律が魅力の作品。
聴きやすさと芸術性を兼ね備えており、室内楽の入門としても最適です。優雅で落ち着いた雰囲気を楽しめます。
曲名の「ロザムンデ」は第2楽章の主題が劇音楽「キプロスのロザムンデ」から来ているため。
第2楽章は単独で演奏されることもあります。
弦楽五重奏曲 D956
シューベルト最晩年の傑作で、深い感情と壮大なスケールが特徴です。
特に第2楽章のメローディの美しさは圧倒的で、多くの音楽ファンに愛されています。
従来の弦楽五重奏曲はビオラが2本であるのに、シューベルはチェロを2本にして、低音部を強化しました。
これによって交響曲のようなスケール感が表現できたのです。
シューベルトの交響曲
交響曲第7番「未完成」
2楽章しか存在しないにもかかわらず、非常に高い完成度を誇る名曲です。
ロ短調で書かれた神秘的でドラマティックな響きは、多くの人を魅了し続けています。
何故未完成だったのかは諸説あり、今でも謎の一つとされています。
交響曲第8番「ザ・グレート」
壮大でエネルギッシュな交響曲で、シューベルトのスケールの大きさが感じられます。
イ短調の第2楽章をのぞいて第1楽章から第4楽章までハ長調で書かれ、力強さと美しさが溶け合う聴き応えのある作品です。
生前には演奏されることがなかったのですが、シューベルトが亡くなって11年後にシューマンがこの楽譜を発見しその素晴らしさに驚愕しました。
シューマンはメンデルゾーンに演奏をたのみ、漸く世に出たこの曲の偉大さが、多くの人に知られることになったのです。
シューベルトの歌曲、声楽曲
魔王
ゲーテの詩をもとにしたシューベルト18歳のときの作品。
一人の歌手が4役(語り手、父親、子供、魔王)を演じ分けるドラマティックな歌曲です。
緊張感あふれる展開と、馬が駆けるさまを弾き続けるピアノが強い印象を与えます。
音楽の時間に聴いたことのある人も、いるのではありませんか?
野ばら
これもゲーテの詩につけられた歌曲で、シューベルト18歳のときに作曲したものです。
シンプルで美しい旋律と物語性によって人気の歌となりました。
シューベルトの曲と知らなくても、「わらべは見たり、野中のバラ…」と聴くと「あゝこの曲ね」と思う人も多いのでは?
童謡としてよく知られていますが、ドイツ語で歌われているのを聴くと、ちょっと印象が変わると思います。
アヴェ・マリア
世界的に有名な宗教曲ですね。清らかなメロディーが心に響きます。
結婚式や映画などでもよく使われるので、一度は聴いたことがあるかもしれません。
グノーがバッハの平均律1番のプレリュードにつけたアヴェ・マリアも素敵ですが、シューベルトのアヴェ・マリアは純粋さが際立っているように思います。
セレナーデ
「白鳥の歌」の中の4番目の曲で、どこか悲しげでロマンティックな雰囲気の歌曲です。
穏やかで温かいピアノの音が夜の静けさを感じさせ、歌の切なさが胸に迫ってきます。
静かな夜に一人思いを巡らせるなんて時にお勧めです。
菩提樹
ヴィルヘルム・ミュラーの詩につけられた歌曲集「冬の旅」の中でも特に有名な一曲。
恋に破れた若者が旅立つ前に、町の門の前にあった菩提樹を見て、かつての甘い夢に寄せる思いを歌ったものです。懐かしさや郷愁を感じさせる旋律が、心に残ります。
この曲も知らない人はいないのでは?と思うほど、音楽の時間で聴いたり歌ったりしたのではないでしょうか。
ます
軽やかで明るい歌曲で、シューベルトの代表作のひとつです。
澄んだ水の中で泳いでいる鱒を、ずる賢い漁師が水を濁らせて釣りあげてしまう。怒りを込めた最終部分を、歌もピアノも激しく表現しています。
ピアノ五重奏曲「ます」の第4楽章にこのメロディーが使われているのです。
親しみやすく、クラシック初心者にも聴きやすい作品だと思います。
死と乙女(歌曲)
弦楽四重奏にも使われた主題を持つ歌曲です。
ピアノが重々しいコラールを奏でると、「私はまだ若いのよ…」と死神に去るよう懇願する乙女の叫びのあと、再びコラールが奏でられ…
死神の「私はお前に安息を与えに来たのだ…」の静かで不気味な歌の中で、乙女は息絶えてしまうのです。
短いながらも強いメッセージ性を持ち、印象的な作品です。
シューベルトの舞台・宗教曲
ロザムンデ序曲
劇付随音楽「ロザムンデ」の華やかな序曲です。
この曲は戯曲「キプロスの女王ロザムンデ」につけた音楽です。
その序曲がロザムンデ序曲ですが、もともとは「魔法の竪琴」の序曲だったものが転用されたとのこと。
明るく軽快な雰囲気で、コンサートでも人気があります。
ミサ曲第2番
宗教音楽としての荘厳さと美しさを兼ね備えた作品。
チェンバー(弦楽)・オーケストラとオルガン、合唱の重厚な響きに、ソプラノ・テノール・バスの独唱が入り深い感動を生み出します。
日本人にとってあまりなじみのない音楽かもしれませんが、聴いていると敬虔な気持ちになるから不思議です。
シューベルトの初めてでも楽しめる6曲
1.即興曲第3番 作品90-3(ピアノ曲)
2.さすらい人幻想曲(ピアノ曲)
3.ピアノ五重奏曲「ます」(合奏曲)
4.交響曲第7番「未完成」(交響曲)
5.魔王(歌曲)
6.菩提樹(歌曲)
シューベルトの作品は親しみやすいメローディーと、しっかりした構成とが相まって何回も聴きたくなる特徴があります。
YouTubeで曲名検索すると色々な演奏家のものが表示されるので、視聴回数の多いものから聴くと良いでしょう。

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