こんにちは!
今年のNコン(NHK全国学校音楽コンクール)小学校の部の課題曲(かだいきょく)『どっきんせみさん』の練習は始まっているかな?
「せみの曲ってどんな風に歌えばいいの?」「どっきんってどういう意味?」と思っている人も多いかもしれませんね。
この曲は、みんなが毎日の中で見つける「びっくりしたこと」「ワクワクしたこと」「胸がどきどきした瞬間(しゅんかん)」を、夏に力いっぱい生きるセミたちの姿にたとえて歌う、とってもエネルギーにあふれた、最高に楽しい曲なの。
でも、ただ楽譜(がくふ)に書いてある音符(おんぷ)の通りに歌うだけじゃ、この曲の本当のカッコよさは出せません。
今回は、クラスのみんなや合唱団の仲間と一緒に読むだけで、次の日の練習から歌声がガラッと変わる「7つの秘密の作戦」を、どこよりも詳しく解説しちゃいます!
さあ楽譜を用意して、作戦会議(さくせんかいぎ)を始めよう!
第1章:『どっきんせみさん』のストーリーを知ろう!
歌が上手になるための最初の秘密、それは「この曲が何を伝えたいか、お話の意味をしっかり知ること」です。
意味がわかると、歌うときの「顔」や「声」が自然と変わってくるよ。
タイトルのひみつ
『どっきんせみさん』は、胸のどきどきやときめきを表す「どっきん」と、夏のシンボルである「せみ」が合体した言葉だよね。
みんなは、どんなときに胸が「どっきん」とする?
- 逆上がりが初めてできたとき?
- トカゲや珍しい虫を見つけたとき?
- 好きな友達に話しかけられたとき?
- 本番直前のステージの袖(そで)で待っているとき?
「どっきんせみさん」はそんな、心が熱くなって波打つような瞬間(しゅんかん)を、夏の太陽の下でジージーと力いっぱい命を燃やして鳴くセミたちのエネルギーと重ね合わせているんです。
セミの一生と「みんなのいま」
セミは土の中で何年もの長い時間を過ごして、地上に出てからは、ほんの短い夏の間だけ全力で生きるよね。
みんなの「小学生のいま」という時間も、長い人生の中で見たら、セミの夏のように「一生に一度しかない、まぶしくて特別な一瞬」だよね。
この曲には、「今しかないこの瞬間を、仲間と一緒に全力で楽しもう!どきどきしよう!」という、作詞のチョー先生と、作曲の三宅悠太(みやけゆうた)先生からの熱いメッセージがこめられているんです。
第2章:声がピカピカに変身する「3つの魔法の発声法」
先生に「もっとキレイな声を出して!」「もっと響かせて!」と言われても、「どうやればいいの?」って困っちゃうこと、あるよね。
それでは喉(のど)が痛くならずに、合唱団みたいなカッコいい声が出せる魔法を教えますね。
魔法の作戦1:「うきわ」をふくらませる呼吸(こきゅう)
歌うときは「お腹に息をためて」ってよく言われるけれど、お腹を膨らませようとすると、肩(かた)にギューッと力が入っちゃう人が多いよね。
でも、肩に力が入ると、声が苦しそうになっちゃいます。
そこで、「自分の背中(せなか)や脇腹(わきばら)に、大きな透明(とうめい)のうきわがついている」って想像してみて。
息を吸うときに、そのうきわが前後・左右にグワーッと丸くふくらむようにイメージして吸ってみよう。
そうすると、肩の力が抜けたまま、歌うための元気な息が体の底にたくさん溜まるようになるよ!
魔法の作戦2:口の中に「アツアツのたこ焼き」をキープ
歌っているときに、口の形が横に「ペチャッ」とつぶれて、おしゃべりするときと同じ口の形になっていないかな?これだと、声が細くてペラペラになっちゃうんだ。
歌うときは、「口の中に、アツアツのたこ焼きが1個入っている」みたいに、口のなかの天井(てんじょう)を、高く、丸く上げてみよう。あくびをするときの口の奥(おく)の形に似ているよ。 この「たこ焼きの口」のまま歌うと、声が頭の中でピーンと響いて、一瞬で透き通ったキレイな声に変身します!
魔法の作戦3:「足のウラ」で地面をふむ
高い音を歌うとき、ついついアゴが上がって、つま先立ちになっちゃう人がいます。
これはNG!高い音に行くときほど、逆に「足のウラ全体で、地面をペタッと力強くふむ」ように立ってみて。
下半身(かはんしん)がどっしり安定すると、高い音のジャンプも怖くなくなって、音程(ピッチ)がバシッと決まるようになりますよ。
第3章:メロディごとの「歌い分け」大作戦!
曲は「Aメロ(最初)」「Bメロ(真ん中)」「サビ(一番盛り上がるところ)」の3つのパートに分かれています。
それぞれの個所で、歌い方の作戦を変えていこう。
【Aメロ】「どっきんせみさん落ちていた」仲良しの友達に、ヒミツのお話をするように
- ここがポイント:お話の始まり。登場する「せみさん」の紹介(しょうかい)の場面
ここは大きな声で怒鳴るように歌っちゃダメ。
落ちていたせみさんに「どうしたの」と話しかけるような、優しくて少し心配しているような声で歌い始めよう。
言葉のひとつひとつを、丁寧に、語りかけるように発音するのがコツです。
【Bメロ】「そっと手をのばすと、どっきん!!」階段を一段ずつ登るように、エネルギーをためる
- ここがポイント:サビに向かうための「ジャンプ台」です。
お話がだんだん展開して、みんなの胸の「どきどき」が大きくなっていく場面。
声のボリュームを、1小節ごとに一段ずつ、階段を登るように少しずつ大きく(クレッシェンド)していこう。
サビの直前では、みんなのエネルギーがパンパンに溜まっている状態を作ってね!
【サビ】「さあおひさまに向かってとんでいけ~」心臓の「どっきん!」を爆発させよう!
- ここがポイント:この曲の一番のクライマックス!
ためていたパワーを一気に解き放つ場面です!
クラスのみんな、合唱団のみんなの心を完全に一つにして、ホールの一番後ろの席にいるお客さん、そして空の上の太陽まで届くような、最高に明るくてまぶしい声で歌いましょう。
笑顔で口を大きく開けて歌うと、声がパッと明るくなりますよ!
第4章:言葉のヒミツ!「日本語」をカッコよく伝えるテクニック
合唱のコンクール(Nコン)で、審査員(しんさいん)の先生たちがすごくよく見ているところがあります。
それは「歌詞(かし)の言葉が、お客さんにハッキリ聴こえるかどうか」です。
小さい「っ」と、終わりの「ん」に命をかけよう!
『どっきんせみさん』という言葉には、「どっきん」という風に、小さい「っ(促音・そくおん)」と、終わりの「ん(撥音・はつおん)」が入っているよね。
- 「っ」の作戦: ジャンプする前に一度ひざを曲げて止まるみたいに、一瞬「息をグッと止める間」を作ろう。
- 「ん」の作戦: 口を閉じて、鼻の奥をビリビリ響かせるようにしっかり発音しよう。
この「っ」と「ん」のタイミングを、全員で「せーの!」でピタッと合わせられると、聴いている人が「おおっ、なんてキレのある、カッコいい合唱なんだ!」と驚くようになりますよ。
言葉の「アタマ」を少しだけ強く発音する
音楽に流されて歌っていると、「せみさん」が「えみさん」に聴こえたり、「どっきん」が「おっきん」に聴こえたりしちゃうことがあります。
言葉の最初にある子音(「せ」なら S の音、「ど」なら D の音)を、いつもよりほんの少しだけ強めに「スェみさん!」「ドっきん!」というイメージで発音してみて。
言葉の輪郭(りんかく)がハッキリして、歌詞の意味がお客さんに伝わるようになりますよ。
第5章:ソプラノ(上パート)とアルト(下パート)の秘密の連携
この曲は、2つのパートに分かれて歌う「同声二部合唱(どうせいにぶがっしょう)」です。お互いのパートの役割を知ると、ハモるのがもっと楽しくなります。
ソプラノ(上のパート)の作戦
ソプラノは、青空をスイスイ飛んでいく鳥のように、のびのびと、どこまでもまっすぐ届くキレイなメロディを歌うのが役目です。
ついつい、がんばって声を張り上げて叫びたくなっちゃうかもしれないけれど、音が高くなるときほど、力を抜いて、頭のてっぺんからシャボン玉を遠くに飛ばすようなイメージで優しく響かせてね。
アルト(下のパート)の作戦
アルトは、合唱全体の「お家(おうち)」を支える、とっても大事な1階の土台(どだい)の部分です。アルトがぐらぐらしていると、ソプラノのメロディもきれいに響きません。
アルトを歌う人は、「私たちがこの曲のカッコいい響きを作っているんだ!」という誇りを持って、太くてあたたかい、豊かな声でしっかりと歌いましょう。
ソプラノの音をよく聴きながら歌うと、2つの声がピタッと重なって、最高に気持ちいいハーモニーが生まれますよ!
第6章:本番のステージで「100点満点」をもらうための裏技
どんなに練習で上手になっても、本番のステージで緊張(きんちょう)して失敗しちゃったら悔しいよね。
つぎはステージの上でみんなの歌が2倍まぶしく聴こえる裏技(うらわざ)です。
裏技1:目線は「客席の後ろの壁」を見つめる
歌っているとき、恥ずかしくて下を向いちゃったり、目の前にいるお友達の後頭部を見つめたりしていませんか? 目線が下がると、声の通り道がふさがって、床に向かって声が落ちていっちゃうんです。
ステージに立ったら、「客席の一番後ろの壁(かべ)の上の方」を見つめよう! 「あそこの壁に、私の声をぶつけるぞ!」と思って歌うだけで、声の通り道が真っ直ぐ開いて、あなたの声がホールの隅々まで飛んでいくようになりますよ。
裏技2:「スマホで録音・録画」大作戦
練習のとき、先生にお願いして、自分たちの歌っている姿をスマホで録音したり、ビデオで撮ってもらったりしよう。
そして、みんなでその動画を見てみよう。
- 「あれ?思っていたより声が小さくて聴こえないな」
- 「サビなのに、みんなの顔がちょっと怖くて暗いかも?」
- 「あ、ここの部分、みんなの口の形がバラバラだ!」
自分たちの姿を客観的(きゃっかんてき)に見て、気づくことができたら大チャンス!そこを直すだけで、みんなの合唱は次の瞬間に何倍もレベルアップします。
第7章:【みんなで挑戦】たった3回の練習で仕上げる集中プラン!
「本番まであと少ししか練習の時間がない!」というときでも大丈夫。
この「3回集中プラン」にそって、みんなで心をひとつに練習してみよう。
【1回目:お話を知る】 ──> 【2回目:ハモりを楽しむ】 ──> 【3回目:本番になりきる】
1回目の練習:リズムと音程のパズルを完成させよう!
まずは歌詞をみんなで声に出して読んで、お話のイメージを合わせます。
次に、音が難しい部分をピアノに合わせてゆっくり確認。
リズムがややこしいところは、歌わずに「手拍子(てびょうし)」を叩きながら、言葉を「タタタ」と言ってみる練習をしよう。
2回目の練習:ソプラノとアルトのドッキング!
それぞれのパートで自信を持って歌えるようになったら、いよいよ2つのパートを合わせます。自分のパートだけでなく、「お隣のパートの声も半分くらい耳で聴きながら」歌ってみて。2つの音がキレイに混ざり合って、お部屋の空気がフワッと変わる「ハモる瞬間」をみんなで楽しもう!
3回目の練習:世界で一番カッコいい『どっきんせみさん』にする!
最後の練習は、もう本番のステージのつもりで歌います。Aメロのひそひそ話、Bメロのワクワク、サビの爆発(ばくはつ)を、顔の表情(笑顔やびっくりした顔)もぜんぶ使って表現しよう。
最後に通して歌い終わったときは、みんなで「やりきったぞ!」と最高の笑顔になれるように全力で歌いきろう!
さいごに:みんなへのエール
『どっきんせみさん』は、みんなの元気な歌声と、まぶしいハジける笑顔が、似合う素晴らしい名曲です。
音を覚えるのが難しかったり、ハモるのが大変だったりすることもあるかもしれないけれど、クラスの仲間や合唱団の友達と声を合わせて、ひとつの音楽を作っていく時間は、みんなの一生にとって、とっても大切な宝物になります。
今年の夏は、みんなの心の中の「どっきん!」を、ステージの上からお客さんの心へ、いっぱいいっぱい響かせてね。
みんなの素敵な歌声がステージに響き渡るのを、心から応援しています!

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