こんにちは!
2026年度「NHK全国学校音楽コンクール(Nコン)」道央地区コンクールに出場されたみなさん、本当にお疲れ様でした!
今年の課題曲テーマ「どきん」のもと、仲間とともに声を合わせ練習を重ねてきた日々は、何物にも代えがたい宝物となったのではないでしょうか。
みごと金賞に輝き、北海道ブロックコンクール(カナモトホール)への進出を決められた学校のみなさん、おめでとうございます!
本記事では、Nコン2026道央地区コンクール(小学校・中学校・高等学校の部)の審査結果(金賞・銀賞・銅賞)を一覧で分かりやすくご紹介します。
さらに、北海道ブロックコンクールで歌われる道央地区・金賞受賞校の「自由曲」の魅力や見どころ・聴きどころについても詳しく解説していますので、ぜひ最後までご覧ください!
Nコン道央地区小学校の部本選の審査結果
開催日:2026年8月5日(水)
会場:カナモトホール(札幌市民ホール)
金賞
札幌市立平岡中央小学校/札幌市立月寒東小学校/札幌市立月寒小学校
江別市立江別太小学校
札幌市立幌西小学校
銀賞
札幌市立東白石小学校
札幌市立美しが丘小学校
札幌市立札苗緑小学校
Nコン道央地区小学校の部・金賞校の自由曲は?
札幌市立平岡中央小学校/札幌市立月寒東小学校/札幌市立月寒小学校
同声合唱とピアノのための「青のアルバム」から『クジラになりたい』(詩・覚 和歌子/作曲・横山 潤子)
覚和歌子さんのこの詩は、大きな海を自由に泳ぐクジラのように、自由で伸びのびとした人になりたいという素直な願いを描いています。
情景の美しさに心が動かされ開放感を感じたり、自分をみつめたりと、そこに物語を感じることができる詩ですね。
横山潤子さんの音楽は、語りかけるような柔らかなメロディから、サビにかけて感情が大きく広がっていきます。
「生きることは素晴らしい!」と高らかに歌うラストが、歌う人にも、聴く人にも共感を覚えさせることでしょう。
海の深さや空の広がりを表現するダイナミクス(音量の変化)を工夫することがポイントだと思います。
江別市立江別太小学校
同声合唱とピアノのための「時とこころを超えたなら」から『何度生まれ変わっても君の恐竜になりたい』(詩・覚 和歌子/作曲・横山 潤子)
覚和歌子さんの詩、タイトルにある「恐竜」という言葉のインパクトが強い作品ですが、内容は突飛なものではなく、「究極の愛と包容力」を描いた詩です。
姿やかたちがどれほど変わろうとも、時代や時間を超えて大切な人を守り続けたいという、一途で深い愛情が込められています。
音楽は横山潤子さんならではの、ことばの抑揚を活かした美しい旋律と、情熱的でドラマチックなピアノ伴奏が恐竜の歩み・動揺・みなぎるエネルギーを描写します。
恐竜が≪君≫という男の子に、「理解して一緒に歩いてくれるのは君だけだから」と静かに語るように始まり、サビに向かって感情が大きく爆発していくのが、聴く人を最後まで惹きつけるのでしょう。
セリフによって情景が思い浮かび、可愛いくてジンとくる物語に、私もYouTubeで感動しながら聴きました。
札幌市立幌西小学校
『にじのうた』(詩・工藤 直子/作曲・三宅 悠太)
工藤直子さんの詩は、自然や生きものの目線から「生きることの歓び」や「他者とのつながり」をシンプルに瑞々しく描くのが特徴です。
『にじのうた』は、 誰かと出会えたことへの感謝、いまここに生きていることの愛おしさが、飾らない言葉でストレートに表現されています。
音楽は三宅悠太さんの作品らしく、言葉の響きを大切にしたメロディーと、豊かな色彩感を持つピアノパートが印象的な作品です。
ピアノ伴奏は、雨上がりの光や一滴のしずく、そして空に大きく広がる架け橋を思わせるアルペジオ(分散和音)やキラキラする音階が透明感のある音で表現されています。
メローディーは覚えやすく自然で、歌い手の声が素直に響くように書かれています。
中盤から後半にかけてグラデーションのように盛り上がり、最後は優しく包み込むようなあたたかな余韻を残して曲を閉じます。
Nコン道央地区中学校Ⅰの部本選の審査結果
開催日:2026年8月6日(木)
会場:カナモトホール(札幌市民ホール)
金賞
札幌市立西野中学校
札幌市立発寒中学校
札幌市立手稲東中学校
札幌市立東白石中学校
銀賞
札幌市立上篠路中学校
札幌市立真栄中学校
銅賞
札幌市立日章中学校
札幌市立北陽中学校
札幌市立北都中学校
Nコン道央地区中学校Ⅰの部・金賞校の自由曲は?
札幌市立西野中学校
札幌市立西野中学校の自由曲は混声含唱曲集「女性詩人による三つの譚歌(バラード)」より『春』(詩:新川和江/作曲:信長貴富)。混声4部で歌われました。
新川和江さんの詩は、季節の移ろいや華やかさだけでなく、命の息吹や感情の揺らぎ、内に秘めた静かな情熱や切なさを表現しています。
音楽は信長貴富さんならではの繊細で豊かなハーモニーと、詩の言葉を活かしたリズム・ダイナミクスが特徴です。
静寂を感じさせる穏やかな旋律から、春の訪れとともに湧き上がる生命力を象徴する重厚な和声へと展開します。
私が聴いた札幌市立西野中学校の演奏は、静かな前奏から始まり、続いて女声の柔らかい声が春の眠りから醒めるように美しく歌います。
男声がそのメロディーに被るように自然な感じで歌いだすと、しだいに重厚な響きとなって曲全体が動き出します。
落ちついた説得力のある演奏が素晴らしいと思いました。
札幌市立発寒中学校
ひとめぐり一混声合唱とピアノのための『ひとめぐり』(詩:覚 和歌子/作曲: 三宅 悠太)
タイトルの「ひとめぐり」が示す通り、巡る季節や時の流れ、命のサイクル、そして人が生きていく中での出会いと別れ、再会が描かれています。
覚和歌子さんの詩の言葉一つひとつが繊細かつ普遍的で、日常の小さな景色の中に潜む「時の尊さ」や「前へ進む意志」を静かに語ります。
音楽は三宅悠太さん特有の美しい旋律と、不協和音が効果的に使われて、心の揺れや移ろいがみごとに表現されています。
私は発寒中学校の演奏を聴いて、どこまでも透明感を失うことなく、クライマックスも自然で、質の高い美しさを感じました。
札幌市立手稲東中学校
混声含唱とビアノのための「未確認飛行物体」から『風』辻征夫 横山 潤子
目に見えない「風」という現象を通して、日常のふとした瞬間に立ち現れる「不在の気配」「捉えどころのない時間の移ろい」を描いた作品です。
辻征夫さんの詩は、大げさな表現を避け、一見するとシンプルな言葉で構成されています。
しかし、その背景には「通り過ぎていくものへの愛おしさ」や「風が去ったあとに残るふとした静寂やわびしさ」が漂っています。
横山潤子さんの音楽は、複雑に重なり合う音(テンションコードや調性の境界をゆらぐ和声)が用いられ、風が運んでくる光や陰影、空気の変化が繊細に表現されています。
各パートが複雑に追いかけ合う対立法的なフレーズと、全員で言葉を揃えて歌うホモフォニックな部分が効果的に交互に現れます。
風がそよ風のように静かに流れる場面から、突風のように感情や音が湧き上がる場面へのダイナミックな展開が聴きどころです。
札幌市立東白石中学校
女声合唱とピアノのための『風』(詩:辺見 庸/作曲:信長 貴富)
詩人・辺見庸さんはジャーナリストであり、小説家であり、詩人でもあるという人です。
辺見庸さんによるこの詩「風」は、歴史の記憶、犠牲者の声、人々の情念や生と死のあいだを吹き抜ける不屈の生命力を象徴しています。
過酷な現実や時代の痛みに抗いながらも、世界を駆け巡り、人々の心を揺さぶる「風」の激しさと静けさが、鋭利な言葉で綴られているのです。
信長貴富さんの音楽は、曲のはじまりから終わりまで、緊張感が途切れません。
詩が持つ重厚なメッセージを損なうことなく、ダイナミックな展開によって聴き手を引き込みます。
女声合唱のイメージを覆すような、激しく重厚なフレーズや、一方で透明度の高い美しい重声が効果的に使われています。
また、ピアノは打楽器的な強靭なリズムから、吹き荒れる風を思わせるスピード感のある音型など、合唱と同等あるいはそれ以上の凄みを持っています。
この曲は表現・技術のどちらも中学生にとって難易度が高く、扱いにくい作品と思います。
それにもかかわらず、金賞を受賞された札幌市立東白石中学校の皆さんには、卓越した実力と努力が感じられ、凄いなぁと思います。
私は放送で聴きましたが、てらいの無い表現で言葉もはっきり伝わり、詩のメッセージ性が伝わってくる演奏に好感を持ちました。
Nコン道央地区中学校Ⅱの部本選の審査結果
開催日:2026年8月7日(金)
会場:カナモトホール(札幌市民ホール)
金賞
札幌市立琴似中学校
札幌市立北野台中学校
札幌市立栄町中学校
札幌市立伏見中学校
銀賞
札幌市立あいの里東中学校
銅賞
札幌市立屯田中央中学校
札幌市立北辰中学校
札幌市立陵陽中学校
札幌市立啓明中学校
北広島市立緑陽中学校
Nコン道央地区中学校Ⅱの部・金賞校自由曲は?
札幌市立琴似中学校
混声合唱とピアノのための「たましいのスケジュール」から『影絵』(詩:覚 和歌子/作曲:横山 潤子)
組曲全体を通して「生と死」「存在の記憶」「心の深い旅路」が描かれており、『影絵』はその締めくくりを飾る楽曲です。
覚和歌子さんの詩「影絵」は、現実世界における私たちの姿や行動、あるいは過ぎ去った記憶や存在の投影を象徴しています。
影絵は光(命や真実)が存在して初めて映し出されるものです。
詩の中では、移ろいゆく世界の現象(影絵)を見つめながら、その奥にある変わらない本質や、たましいの起源へと思いを馳せています。
音楽は横山潤子さんならではの高度な和声感と、詩の言葉一つひとつを活かしたメローディーが大きな特徴です。
ピアノのアラベスク(音の波)のような音型は、光と影が揺らめく影絵の世界や、時間の流れそのものを思い起こさせます。
長調と短調の間をたゆたうような転調が、神秘的な世界観を作り出しています。
札幌市立琴似中学校の演奏を放送で聴きました。
言葉がはっきり聴き取れ、詩の持つメッセージが伝わってきます。
難しい音程もピッチがきれいに揃って、音楽に力強さを与えていると感じました。
札幌市立北野台中学校
混声三部合唱とピアノのための組曲「クレーの絵本第一集」から①操り人形劇場 ②幻想喜歌劇「船乗り」から格闘の場面(詩:谷川 俊太郎/作曲:三善 晃)
混声三部合唱とピアノのための組曲『クレーの絵本 第1集』は、画家ポール・クレー(Paul Klee)の描いた絵画に着想を得て詩人の谷川俊太郎が詩を書き下ろし、三善晃が作曲した日本合唱音楽の傑作です。
クレーの絵画は、一見可愛らしく無心な「絵本」のようでありながら、その裏には人間の存在に対する皮肉、ユーモア、不条理さ、そして深い冷徹な観察眼を観ることができるのです。
今回取り上げられた2曲は、組曲の全5曲(①階段の上の子供、②あやつり人形劇場、③幻想喜歌劇「船乗り」から格闘の場面、④選ばれた場所、⑤黄色い鳥のいる風景)の中でも、特にドラマチックでリズム的な緊張感にあふれた楽曲です。
①『あやつり人形劇場』
糸で吊るされた「操り人形」の滑稽な動きや劇場空間を描いています。
描かれているのはおもちゃの人形ではありません。
「自分の意思で動いているつもりでも、実は目に見えない力や運命(あるいは他人)に操られているのではないか」という、人間社会や個人の矛盾に対する問いかけや皮肉が込められています。
この曲は大人の合唱団で聴いたことがありますが、淡々として冷ややかなものを感じた覚えがあります。
北野台中学校の演奏は、もっと若々しく一途で真摯なものを感じました。
②の『幻想喜歌劇「船乗り」から格闘の場面』も軽やかで、劇的な要素は少なかったかもしれませんが、楽しくなる演奏でした。
②『幻想喜歌劇「船乗り」から格闘の場面』
タイトルにある通り「舞台(喜歌劇)のワンシーン」という設定のもと、船乗りと謎の敵(怪獣あるいは運命?)との争いが描かれます。
「格闘」と言いつつも、どこか非現実で夢の中の出来事のような、コミカルでありながら真剣、激しいけれども滑稽という、二面性を持ったストーリー展開が魅力です。
三善晃の音楽は 拍子がめまぐるしく変化し、不協和音を効かせたピアノ伴奏とともに緊張感あふれるスピード感で展開します。
正確な音程とリズムで歌うだけでなく、演奏者が舞台上の演者になったかのような迫力と演技力のある声の表現(声色や強弱)が要求されています。
札幌市立栄町中学校
無伴奏女声合唱による奄美島唄「うたつむぎ・おとつむぎ」から①糸繰 ②一切朝花(奄美島唄/編曲・信長貴富)
無伴奏女声合唱による奄美島唄『うたつむぎ・おとつむぎ』は、作曲・編曲家の信長貴富さんが、奄美群島に伝わる伝統的な「島唄(シマウタ)」を題材にした無伴奏合唱曲集です。
今回取り上げられた『糸繰(いとくり)』と『一切朝花(ちゅっきゃりあさばな)』は、組曲の中でも対照的な表情を持ち、島唄の精神性と現代合唱の技法とが合わさった2曲です。
「糸繰」は奄美大島の伝統産業である「本場奄美大島紬(つむぎ)」の工程で、蚕の繭から糸を紡ぎ・繰り出す手作業(糸繰り)の際に歌われていた作業唄(労作唄)が原曲。
長時間の根気の要る作業の中で、女性たちが互いに励まし合い、家族や愛する人への思い、あるいは人生の哀歓を重ね合わせて歌い継がれてきたのです。 一方『一切朝花(ちゅっきゃりあさばな)』はテンポの速い遊び歌です。
朝花と呼ばれるものは祝い事、遊び、宴会などで歌われる奄美地方の伝統的な歌で、ゆるやかなテンポのものが多いそうです。
栄町中学校の演奏も放送で聴くことができました。
『糸繰』は哀愁を帯びたメローディーと奄美独特の音階(奄美独特なこぶし)が、難しいのではと思いましたが、集中力のあるみごとな演奏でした。
『一切朝花(ちゅっきゃりあさばな)』はリズミカルで温かい雰囲気がよく出ており、強弱の変化が鮮やかでハーモニーも美しく、聴き惚れてしまいます。
札幌市立伏見中学校
混声合唱とピアノのための『そのあと』(詩:谷川 俊太郎/作曲:宮本 正太郎)
谷川俊太郎さんの詩は、「大きな出来事や変化が去った後の、静かな時間の流れと日常の再生」を描いた作品です。
大きな悲しみや変化を経験したとしても、人はその「あと」の時間を生きていかなければならないと詠った詩です。
詩の中では、劇的な回復や感動を押し付けるのではなく、静かに呼吸をし、一歩を踏み出すような「控えめで深い、生きることへの肯定」が流れています。
宮本正太郎さんはこの曲について「直感的に音をつけていきました」と語っています。
難解な現代技法に頼るのではなく、自然なメロディと言葉のイントネーションを尊重した親しみやすく美しいハーモニーが特徴です。
伏見中学校の演奏も放送で聴きました。
「そのあとがある 大切なひとを失ったあと・・・すべてが終わったと知ったあとにも終わらないそのあとがある」
淡々とした詩は長い人生を過ごした大人の心境を詠ったもので、ドラマティックな曲を歌うのとは違う難しさがあると思います。
伏見中学校の演奏を聴いて、とても中学生とは思えない大人の気持ちを歌う想像力に、正直驚きました。
先入観を持ってはいけませんね。
Nコン道央地区高等学校の部本選の審査結果
開催日:2026年8月4日(火)
会場:カナモトホール(札幌市民ホール)
金賞
札幌第一高等学校
北海道札幌南高等学校
北海道札幌北高等学校
札幌山の手高等学校
銀賞
北海道科学大学高等学校
銅賞
市立札幌清田高等学校
札幌静修高等学校
Nコン道央地区高等学校の部・金賞校自由曲は?
札幌第一高等学校
混声合唱とピアノのための『ひとめぐり』(詩:覚 和歌子/作曲:三宅 悠太)
覚和歌子さんの詩は、めぐりゆく季節や時間の流れ、生きることの豊かさ、そして人と人との繋がりや命の巡りを、深い感情をもって書かれた詩です。
音楽は三宅悠太さん独特の、色彩豊かで流れるようなピアノパートと、うねるようなエネルギーを持ったコーラスが強く印象に残る作品です。
わたしはNHKの道央地区本選の放送で、札幌第一高等学校が歌ったこの曲を聴き、静けさから徐々に広がっていくダイナミックな動きに、聴き惚れてしまいました。
女声と男声のバランスも鮮やかで、ハーモニーの美しさが際立っています。
オプションでついたトライアングルのかわいいチリチリとした音も効果的で、印象深いものでした。
北海道札幌南高等学校
混声合唱組曲「ひたすらな道」から『弦(いと)』(詩:高野喜久雄/作曲:髙田三郎)
高野喜久雄さんの詩は張られた「弦」が奏でる振動や音を通して、人間の存在や自己の内面、そして他者や大いなるものとの対話を描いています。
張り詰めた緊張感と、そこから生み出される澄んだ響きが詩的なイメージの中心にあります。
高田三郎さんの音楽はクラシック音楽の特有な重厚で洗練された和声とポリフォニーで書かれています。
緊張感のある和音から始まり、各パートが緻密に絡み合いながら祈りや問いかけのような旋律を紡ぎ出します。
ピアノ伴奏も単なる伴奏にとどまらず、弦の振動や静寂を表現する重要な役割を担っています。
作品の重みを考えながら、北海道札幌南高等学校の演奏を聴きました。
言葉がよく分かり、どっしりとした緊張感のある歌とピアノが融合して、落ち着いた演奏に感銘を受けました。
北海道札幌北高等学校
自由曲は混声合唱とピアノのための『苦しみの日々 哀しみの日々』(詩・茨木 のり子/作曲・松下 耕)です。
この曲は茨木のり子さんの詩集『自分の感性くらい』に収められている言葉を現代的な歌詞にした作品です。
生きていく中で直面する迷いや哀しみ、苦しみを見つめながらも、しなやかな強さを持って生き抜こうとする人間の気高さを表現しています。
音楽は松下耕さんらしい重厚で色彩豊かな和声と、詩の言葉一つひとつに寄り添う繊細なメロディーが特徴です。
哀愁を帯びた旋律からダイナミックに感情を爆発させる展開まで、ドラマチックな構成になっています。
私はNHKの放送で北海道札幌北高等学校の本選の演奏を聴いたのですが、何回も繰り返して聴いてしまいました。
苦しみや悲しみが自分を深めていけるだろうという力強いメッセージをしっかりと伝えています。
低い男声の声(バス)の響きの上にソプラノの柔らかい歌声が美しく、音楽の変化、語りかけるようなセリフ、初めからお終いまでドラマを観ているような気持になりました。
札幌山の手高等学校
混声合唱とピアノのための『夢の潟湖(ラグーナ)』(詩:佐伯 圭/作曲:宮本 正太郎)
佐伯圭さんの詩はとても難しい心象風景を描いたものです。
潟湖(淡水と海水が混ざり合う浅い湖)という言葉にあるように、境界線があいまいな水辺の様子が舞台となっています。
現実と夢、記憶と忘却の相反する狭間を漂うような、心の奥底に眠る感情や切ないいとおしさが静かに紡がれていきます。
楽曲は静かで透明感のあるハーモニーから始まり、静寂のなかで「潟湖(ラグーナ)」の情景や繊細な感情が表現されます。
曲が進むにつれて内面の悲哀や葛藤が表出していき、圧倒的なダイナミズムと力強い情感を生み出します。
私はこの曲を今回初めて聴きました。
静かな美しさに水彩画のような水辺の風景を想い、やがて内面の悲哀や葛藤が鳥の鳴き声のなかで、ダイナミックに表れてくる様子が、手に取るように見えてきました。
ピアノが揺らぎや心の起伏を雄弁に描き出し、ゾクッとするほどの表情にも驚かされました。
北海道のブロックコンクールは強豪ぞろいで、どんな展開になるのか楽しみでもありますね。
Nコン北海道ブロックコンクール 開催概要
| 部門 | 日程 | 会場 |
| 小学校の部・高等学校の部 | 2026年 9月5日(土) | カナモトホール(札幌市民ホール) |
| 中学校の部 | 2026年 9月6日(日) | カナモトホール(札幌市民ホール) |
※会場住所:札幌市中央区北1条西1丁目
各部門で金賞を受賞した1校がNコン「全国コンクール」(10月10日〜12日/東京・NHKホール)のステージに進みます。
北海道の仲間たちを代表して、東京・NHKホールで最高のハーモニーを聴かせてくださいね。
各学校の自由曲はNコンとコンクールデータベースのサイトを参照しました。
東北ブロック本選結果!/青森・岩手・宮城・福島・秋田・山形をご覧ください。☟

現地レポあり!関東甲信越/小・中学校をご覧ください。☟

ブロックコンクール審査結果/北海道・関東甲信越・近畿・中国地方をご覧ください。☟

コメント
8月7日に行われた道央地区中学校IIで、伏見中学校も金賞だったと思うのですが、記載漏れでしょうか?
歌川瑞紀さま
コメントをいただき、ありがとうございます。
また、情報の誤りをご指摘くださり大変助かりました。
ご指摘の通り、8月7日の道央地区中学校II部において、伏見中学校も金賞を受賞されておられました。
先ほど該当の文章に伏見中学校の情報を追記・修正いたしました。
こちらの確認不足により、関係者の皆様ならびに読者の皆様にご迷惑をおかけしましたことをお詫び申し上げます。
教えていただき本当にありがとうございました。
今後ともどうぞよろしくお願いいたします。